【1986年 新任教師Mからの手紙】その3 春めく新学期

ソメイヨシノの写真 1986 新任教師Mからの手紙

4月1日

 なんとなく気候が春らしくなってきた今日この頃です。桜の開花も明日とのことです。

 春にはサバイバルをと思っていたのですが、結局、今日と明日の2日間しか休みがとれず、ゴールデンウイークに期待するしかありません。

 2日前に教師同士の結婚式がありました。音楽の先生と体育の先生だったのですが、二人とも京都教育大学出身です。体育の先生の方の陸上部の友人たちのスピーチが最高で、「女子寮の前でそれなりのことを叫びましたが、今から思えば彼は女子を愛したのではなく、女子寮を愛していた」とか、どの話もしゃべり方もすごく共感してしまい、一人で笑いすぎてしまいました。共産党ではなったら教師じゃないというような学校の連中の中で、私にはしっかりと陸上部の連中の上に燦然と輝く日の丸が見えたのでした。

 話は変わって、明日、一人の生徒とかねてから約束していたサイクリングに出かけます。休みにボーリングにつきあわされるときは、何で休みやのに仕事の延長みたいに生徒と付き合わなあかんのやと思ってしまうのですが、今回に関しては楽しみです。休みごとに自転車に乗っていて女など見つけられるわけがないと思います。

 4月から新しい若い女性の先生が2,3人来るらしいのですが、どういうわけか全然興味がありません。実は今、好きな人がいます。以前書いたと思うのですが、今年32歳になる川辺先生です。全然美人ではなく、今までのパターンとはまるで違うのですが、とても素敵な人です。二人で酒を飲みに行ったりもするのですが、そのたびに自分の未熟さというか、ガキっぽさに落ち込んでしまいます。彼女は私を全然異性として相手にしておらず、この前肩を揉まれてしまいました。ともあれ非常に個性的な人なのでよっぽどのことがない限り、他の女の人を好きになりそうにありません。

 今年の夏は沖縄に行きます。