息子もいよいよ、4月から小学校最終学年になりました。
ついこの前、入学式をあげたような気がするのに。もう6年生かぁ。
以前にディスグラフィアである息子の絵を紹介しましたが、その後、新たな発見がありましたので、そのことを書きます。
まずはこの絵をご覧ください。
息子が、図工の時間に描いたという自分の手の絵です。
写実的ではありませんが、下絵から水彩絵の具がはみ出したり、にじんだりして、なかなか味わいのある絵だなと、思って息子にききました。
へぇー、なかなか上手く描けてるなぁ。自分の手を描いたんだよね。
そうだよ。左手を見ながら描いたんだ。
そうか、左手を描いたんだ…、ん? 左手を見ながら、右手で描いたの?
当たり前でしょ、左手を見ながら左手で描けないよ。第一、僕右利きだからね。
そうだよなぁ…、でも、お父さんには、この絵、右手に見えるんだけどなぁ…。
…あ…、ほんとだ…、なんでだろ…。
本人は自分の左手を描いたというのですが、これはどう見ても右手です。
右手で描いているのに、右手を描けるわけがない。右手を見て、筆をとって描いて、筆をおろして、右手を見て、ということを繰り返せば、描けないことはありませんが。
息子は、そういうことはやっていないと言ってますから、描く時に無意識のうちに反転しちゃったのか?
ディスグラフィアの特徴の一つに文字の左右が反転する「鏡文字」があります。
平仮名を覚えたての幼児期には、多くの子どもに見られるそうですが、大抵、小学校に上がる頃にはきちんと懸けるようになる。
息子は小5まで、「せ」がよく鏡文字になっていました。
それと同じように、絵も左右が反転してしまったのか。
絵をよく見ると、右手の親指の上の方に、消された指がありました。
恐らくこれは左手の小指。
息子が言うように、左手を見ながら右手で描いていたようです。
では、左手の親指がある部分はどうかというと。
あれ? 左手の親指があるべきところに、描いた跡がありません。
下絵を描いた段階で、5本の指が上を向いているのに気づいた息子は、あれ?変だぞ、と思い、恐らくそれまでに描いていた5本指のバランスから、右端の指を小指だと判断したのでしょう。
だから、左端の指を親指に書き直したのではないでしょうか。
さらに下絵の跡をよく見ると、手の甲をまず描いて、それから指を描いているようです。
以前のブログで、怪獣の絵を紹介しました。その絵も体を描いて、手足を描いて、顔を描いてというように、パーツパーツをくっつけるような描き方でした。
全体を見てはいるのですが、描く時にはパーツごとになってしまうのです。
描いている時には、脳は右手を意識していますから、それで途中から右手を描いてしまったのか…。
描いた本人も、どうして右手になったのか分からないと言ってます。
頭の上にGoProみたいな小型カメラをつけていたら、その過程がわかったかも。
いずれにせよ、息子のディスグラフィアは認知の問題ではなく、表現するという出力の方に問題があるのですね。
現に、文章を読むのは問題ありません。むしろ、すらすらと、標準以上に読めますから。
書く(描く)ことについては、これからもいろいろと大変なことがあることでしょう。
書字障害も持ちながらも楽しそうに描いている息子の姿を見ていると、自分のハンディをそれほど気にしていないのかもしれません。
出来ないことを悔やむより、出来ることを楽しむ。
大人でもなかなか難しいことを、息子は平然とやってのけているようです。