へんてこりんな頭の形は何のため?
“変な動物ランキング”があるとすれば、おそらく上位に食い込むことは間違いないでしょう。
なんですか、あの頭は。人の髪型に例えると、モヒカン刈りなみの衝撃度です。
サメといえは、流線型が基本でしょうが。
範囲を魚類全体に広げても、似たような形の魚は、思いあたりません。上あごや下あごがやたら長いやつとか、頭にでかい瘤があるやつとか、変な姿の魚はけっこういますが、シュモクザメの頭のユニークさは突出しています。
もしかしたら、宇宙からやってきたのかもしれません。
いったいシュモクザメの人生、じゃなくて魚生に何があったのか。一度、詳しくインタビューしたいところですが、マイクを向けた途端、噛みつかれそうです。
ここは、シュモクザメになったつもりで考えてみましょう。
(目を閉じて・・・)頭がびょ~んと横に平たく伸びて、その両端に目がついていると・・・、おおーっ! 周りがよく見えるよく見える! しかも前後左右上下!
ははぁ、そういうことかぁ。
左右に伸びた頭の両端に目があるということは、視界がすごく広がるというわけですね。
この頭のおかげでシュモクザメは人間のように立体的な視覚を持ち、動きの速い獲物を追い掛けることができる。ただそし、その代償として頭の真正面に大きな死角があるという。(NATIONAL GEOGRAPHIC )
ただし、頭の前面には、高感度センサーの働きをする特別な器官が無数にあって、獲物が出す電気を感じ取れるようになっているそうです。
なんだか、自動車の死角をカバーするセンサーみたいですね。というかシュモクザメのセンサーの方が先ですから。
シュモクザメの“シュモク”とは
あと、名前についてですが、英語では「Hammerhead Shark」と呼ばれていますね。直訳すると「カナヅチ頭のサメ」。見た目そのまんま、という感じです。
では、日本語の「シュモクザメ」の「シュモク」とは何でしょうか。「種目」ではありませんよ。
カナヅチザメじゃ、泳げないサメと間違えられるかもしれないしなあ、キヅチ(木槌)ザメ、うーん、ピンとこないなぁ。
あれ? あそこでお坊さんが鐘を叩いているけど、ありゃ何だぁ? ちょっと聞いてみよう。
すみませーん、その手に持って鐘を叩いているのは何というんですかー!
ああ、これですか。これは撞木(しゅもく)というものですが。
え?! シュモク・・・、シュモクザメ! おおっ! これだぁーっ!
というような経緯でつけられたのかどうかは知りませんが、英語のハンマーヘッドシャークを直訳せず、一般人にはあまりなじみのない撞木から名づけたところに文学性を感じますなあ。
さきほど、シュモクザメのような頭の形をした魚類は思い浮かばないといいましたが、いろいろ調べてみると魚類ではありませんが、昆虫の中にそっくりなヤツがいました。
その名も「Hammerhead Fly」、日本語名「シュモクバエ」というハエの仲間です。
しかも、沖縄の石垣島や西表島にはシュモクバエの一種である「ヒメシュモクバエ(https://insect-islands.ocnk.net/product/1227)」が生息しているそうな。
「Insect Islands ~南の島の昆虫標本屋さん~」という昆虫標本専門の通販サイトでは、その標本が1匹1,000円で販売されています。
シュモクバエの目も周りがよく見えるように進化したらしいのですが、魚の目と昆虫の目が、同じような形に進化するとは、不思議ですなあ。
シュモクザメウインナーを作ってみた
今回のシュモクザメ、へんてこりんな頭のお陰で、意外と簡単に作ることができました。使った材料は以下の通りです。
材料
- 胴体 → ウインナー
- 頭・ヒレ → ニンジン
- 目 → 黒ゴマ
作り方
作り方のポイントは頭。ニンジンを板状に切り、ウインナーに切れ目を入れてはさむとハンマーヘッドになります。
いずれ、シュモクバエにも挑戦してみましょうかねー。
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