頭の形のせいで絶滅
お父さん、ディプロカウルスって知ってる?
ディプロカウルス? トリケラトプスの親戚か?
違うよ。恐竜の仲間でもないし
うーん、聞いたことないなぁ。
あのさぁ、大昔にいた両生類なんだけど、頭が三角で絶滅したんだって。
頭が三角? おむすびマンか?
懐かし~。よく覚えてるね。アンパンマンに出て来たキャラクターでしょ。じゃなくて、両生類っていってるでしょ。
両生類っていうことは、カエル?
カエルっていうよりは、サンショウウオに近いかな。
三角頭のサンショウウオか。生きていたら特別天然記念物になりそうだな。
オオサンショウウオよりも珍しいと思うよ。
で、三角頭のサンショウウオがなんで絶滅したの? 珍しいから乱獲されたのか?
サンショウウオじゃなくてディプロカウルスっていうの。面倒くさいおやじだなぁ。名前くらい覚えてよ。
だって面倒くさい名前だもん。お父さんはカタ仮名の名前とか覚えるのが苦手なの。日本史は得意だったんだけどなぁ、同じ歴史でも世界史は人の名前とかカタ仮名だらけだから、さっぱりだったよ、ハハハーッ。
…話戻すけど、ディプロカウルスは三角頭が岩とかの間にはさまって絶滅したんだって。
えーっ! なんてマヌケなやつ! でも、シュモクザメなんか、もっとはさまりやすそうな頭してるけど。
あいつら岩がゴロゴロしているところにはいないし。
そ、そういえばそうだな…。でも、ディプロなんとかっていうのも、何か訳があって頭が三角になったと思うんだけど。
そこなんだよねー。なんかメリットもあるはずだよねー。
んー、頭が三角だと、まあ目立つわな。
あっ、それいい線いってるかも。つまりメスへのアピール。三角頭が大きいほど、メスにもてるとか。
動物ではよくあるパターンだな。でも、その結果、岩の間に挟まってしまうというのは哀れな話だなぁ。
結局、頭の大きいオスが岩に挟まって死んじゃって、頭の小さいオスが生き残って繁殖に成功して―
その結果、サンショウウオになったってか?
だったら面白いね。
サンショウウオの祖先はディプロなんとかか?
そんなわけないでしょ、っていうか、いい加減名前覚えてよ。ディプロカウルス!
『わけあって絶滅しました。』は大人もはまる
とまあ、息子との会話はいつもこんな感じなのですが、今回の話のネタ元は『続 わけあって絶滅しました。』という本。息子が学校の図書館だったか児童館で『わけあって絶滅しました。』を読んで面白かったと言うので、その第2弾の『続 わけあって絶滅しました。』を買ってあげたのです。
ディプロカウルスの話のあと、息子から借りて読んだのですが、いやいや面白い、面白い。古生代から現代までの50種類の絶滅した生き物を取り上げているのですが、その理由が「マジで!」って感じ。
いくつか紹介しましょう。
- おしっこのしすぎで絶滅 ファソラクスク
- 歩くのがダルくて絶滅 ヘノドゥス
- トサカをのばしすぎて絶滅 ニクトサウルス
- くねくねして絶滅 バシロサウルス
- 爪をとがらせて絶滅 カリコテリウム
- 塩分のとりすぎで絶滅 プロコプトドン
- 地面を歩いていたら絶滅 オオツギホコウモリ
- 囚人に食べられて絶滅 オオスベトカゲ
- 貝ばかり食べていて絶滅 カササギガモ
タイトルの付け方が上手いというか、「えっ! なんで?」って思わず読みたくなりますもん。読者のツボを押さえてます。
後半の方には「絶滅しそうでしていない」生き物が紹介されているのですが、私がいいなと思ったのがカブトガニ。彼らは「だらだらすごして生き延びた」んですよ。すごいですねー。だらだらしてもいいんだぁ。カブトガニになりたいなぁ、でもあの姿はちょっと嫌ですけど。
そういえば、長崎の私の実家は海のすぐそばにあるのですが、子どもの頃、その海岸にカブトガニが産卵のために集まってきよったとです。確かに、動きがトロくてだらだらしとったです。子どもでも簡単に捕まえられたですけん。
ばってん、ひっくり返したら「ひぇーっ!」ですよ。気持ちわるーして。こげな生き物、食おうっちゅう生き物はおらんでっしょ。っちゅうか、食わるっところのなかですけん。外側は硬か甲羅で内側がモジャモジャ動くクモんごたる足だけ。身(肉)はどこにあっと? あの姿やったけん、生きのびたかもしれんですたい。
と、子どもの頃のことを長崎弁で思い出してみました。
で、『続 わけあって絶滅しました。』の最後の章は「わけあって繁栄しました」となっています。人類が地球に登場して以来、多くの生き物が人類のせいで絶滅してしまったというイメージがあるのですが、逆に人類が登場したために、繁栄した生き物もいるのですよ。
この本ではイエネズミと蚊が紹介されていますが、イヌやネコももともとは野生動物から人間が品種改良したものですしね。
一通り読んでみて、このテイストはあれですよ、以前にサイのところで紹介した『ざんねんな生き物辞典』に似てるなあ。と思ったら、著者、監修者が同じではないですか。丸山貴史著、今泉忠明監修。
でも、出版社は違います。『ざんねんな』は高橋書店で、『わけあって』はダイアモンド社。
『ざんねんな』が爆発的に売れたので、ダイアモンド社さんも「うちからも是非」ということで企画したのかどうか、その辺りの事情はよく知りませんが、二匹目のドジョウも当たったようです。
第一弾の『わけあって絶滅しました』から第二弾『続わけあって絶滅しました。』(2019年7月) 第三弾『も~っとわけあって絶滅しました。』(2020年7月)とシリーズ合計で80万部突破していますね。
調べていたら、YouTubeに著者の丸山貴史さんの「わけあって、ざんねんな生き物の話」というサイトがありました。2021年3月現在、6本の動画がアップされています。その中の、わけあって、ざんねんな、いきものの話 #04/わけあって絶滅した「ぬいぐるみ」のお話で、ディプロカウルスのぬいぐるみが出てますねー。
というわけで、ディプロカウルスウイナーを作ってみました。
ディプロカウルスウインナーを作ってみた
材料
- 胴体 → ウインナー
- 頭・足・尻尾 → ニンジン
- 目 → スライスチーズ
- 瞳 → 海苔
作り方
ポイントは頭、しかありませんね。ニンジンを厚めの三角形に切り、2cmほどに折ったパスタ麺でウインナーの胴体とつないでいます。
ウインナーで復活したディプロカウルスでしたが、残念ながら息子に食べられて絶滅しました。
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