息子がテストで0点、でも嬉しそう。

0点のテストの写真 出来事

夕食の後、息子がニコニコしながら、一枚の紙を持ってきました。

すごいよ、これ見て

テーブルの上に広げたのは、漢字の書き取りテストです。

100点とったのかと思いきや、な、なんと0点!

50問、ぜーんぶ書いたのに、1個も当たってないんだよ。すごくない?! 50分の1以下の確率だよね

(0点取って「すごくない?」って言えるのは、確かにすごい…。でもこれ、確率がどうのこうのっていうことではないんだけど…)

と思いながら、そのテストをよく見ると、赤字で先生のコメントがありました。

  全部考えようとしたところが、えらいです

なるほど。

息子は、自分の努力を、先生に認めてもらえたことが、嬉しかったんですな。

確率を持ち出したのは、息子なりのジョークです。

すごいな、これは! しかも、全部考えようとした、ではなくて全部考えたんだもんな

おそらく、テスト中は必死になって考えたことでしょう。

必死で考えた漢字もほとんどが息子の自作です。

よくこれだけ考え出したもんだ。

いくつか拡大してみました。

画数は当たっているぞ!
余計な字が入ってしまった
惜しい! 
素晴らしい作字能力!
息子独特、じゃなくて独自の漢字!
中国語にありそう!
字は正しく書けてるぞ!

以前、ガボラの記事で触れましたが、息子には「ディスグラフィア」という学習障害があるのです。

ディスグラフィアとは

ディスグラフィアについてクグッてみると、以下のようなことが紹介されていました。

ディスグラフィアは「学習障害」のひとつで、文字を書くこと、特に文字を手書きすることに困難さを持つ症状のことです。日本語では「書字障害」と呼ばれます。話し言葉は普通に理解できますが、それを文字として書きとることが困難な障害です。

ディスグラフィアの人は、文字の体系やつづり方を認識することや、手や指など小さな筋肉の調整による運動に困難さを持っており、一貫性をもって文字を書くことが困難です。言語障害や注意欠陥障害などと症状が重なる部分もありますが、文字を書くことにおける学習障害のひとつです。

ディスグラフィアの症状と兆候

子どもが授業に集中でしていない、やる気がない、配慮に欠けている、運動機能に遅れがあるという見た目や思い込みから、ディスグラフィアの症状はしばしば見逃されてしまいます。
次のような症状が幾つも当てはまる場合はディスグラフィアである可能性があります。

 ・短い文章を書くだけで指がけいれんする
 ・手首、腕、体、または用紙の向きを90度曲げる癖がある
 ・書いた文字を頻繁に消す
 ・大文字と小文字が混在してしまう (※英語の場合)
 ・文字の形と大きさに一貫性がない
 ・1つの文字を最後まで書き終えない
 ・線と余白をうまく使えない
 ・文字を書き写すのにかなり時間がかかる
 ・文章を書くときは細かい部分に注意がおよばない
 ・指摘されても同じ書き間違いを何度も繰り返す
 ・これから書く文字の並びを、あらかじめ頭の中でイメージできない
 ・読みやすい字が書けない
 ・紙の上にバランスよく字を配置できない
 ・考えながら書いたり、書きながら考えることが難しい(メモ取り、創作など)
 ・文字を書くこと自体が難しいため、つづりや作文が思うように書けない
 ・同音異義語が理解できず、どう書けば良いのかも分からない
 ・思ったことを文章にすることが難しく、場違いな言葉を使って表現したりする
 ・文字を書いている最中に痛みを感じることがある(指や手首や手のひらが痙攣する)

ディスグラフィアの原因

ディスグラフィアの原因は、生物学的には遺伝性の脳障害です。具体的には、短期記憶の問題であり、文章を書くために必要な脳の部分が十分に発達しなかったことによるものとされています。それによって、指や手の微細運動、空間の把握に問題が生じ、文字を書くこに困難さを持つようになるそうです。

ディスグラフィアの治療法

現在の所、ディスグラフィアに治療法はありません。そのため、個々の症状に対する対処療法がおこなわれています。字を書く手の動きをコントロールできるようにする訓練などもそのひとつです。教師にディスグラフィアの知識のある場合は、学校の授業において教育療法を採用することで効果を期待できます。その他には、記憶障害や神経の障害に用いられるような方法もおこなわれています。

周囲と会話したり、会話の内容を聞いて適切に行動したりというのはできますが、書くことだけが著しく苦手なため、本人の努力不足や家庭での教育が悪いという偏見に繋がります。

本人も頑張っているし、親御さんも勉強をさせていないわけではないため、心無い言葉に傷ついてしまうこともあります。学習障害は努力不足ではなく、脳の神経ネットワークの異常が原因です。そのため、どれほど努力をしてもできないものはできないのです。

障害者.comより

息子がディスグラフィアと診断されたのは小学4年の時です。

実は、小学1年の頃から、息子が字を書くのが苦手なことに気がついていました。本やネットで調べたところ、おそらく息子はディスグラフィアに違いないと。

1年生、2年生の頃は、それほど複雑な漢字も出てこないので、なんとかついていけたのですが、3年生に上がる頃から、学校の先生も、息子には学習障害があるのではないかと感じ始めたようです。

そして4年生に上がる前、学校から、字を書くのが極端に苦手なので専門の病院へ行った方がいいと言われ、こども診療科の先生に診てもらったところ、ディスグラフィアと正式に診断されたわけです。

学習障害がある子どもには、支援員がサポートしてくれる制度があるのですが、支援員をつけるためには、教育委員会での手続きが必要です。そのため家内が、教育委員会に相談に行ったところ、教育関係の偉いひとに「字を書くのは訓練ですよ、訓練! 」と言われたそうです。

え? 訓練で障害が治るのでしょうか?

例えば色弱の人が、訓練すれば色が見分けられるようになるんですかね。

まあ、この偉い人の「訓練」という教育信念は揺るがないものなのでしょう。

せめて、新しい情報をとり入れる訓練をしてくださいね。

幸い、4年生から息子は授業中、支援員のサポートを受けられるようになりました。

ただ、テストの際は支援員も手伝えませんから、漢字の書き取りテストはほとんど白紙状態だったのですが。

そんな息子に、やる気スイッチが入ったのか。

そういえば、2学期は自ら級長に立候補したといっていました。

なんか急に頼もしくなってきたなぁ。

息子には、出来ないことで悩むことよりも、出来ること、得意なこと、好きなことを頑張ればいいと、普段から言っています。

父ちゃんはいつも応援してるぞー! 負けんなよー!