ウルトラセブンについて ― 親子の会話
お父さん、ウルトラセブンって結構グロいんだよ。
そうかぁ? お父さんはウルトラシリーズでは一番セブンが好きだけどなぁ。
だって、アイスラッガーで怪獣の首をちょん切って、血がドバッて噴き出たりするんだよ。
ちょん切るのは覚えてるけど、血が噴き出たかなぁ?
全部じゃないけど、第三話のエレキングの時は、血が噴き出るんだよ、ほら。
といって、タブレットでYouTubeを見せてくれました。確かにウルトラセブンがアイスラッガーでエレキングの首を切り落とした後、少し間をおいて、赤い血がドバッと噴き出しているではありませんか。
ちなみにアイスラッガーというのは、ウルトラセブンの頭の上にくっついているちょんまげというか、モヒカン刈りみたいな形の武器で、両手で挟んで前方に投げると超高温化し、どんなものではスパスパ切り裂てしまいます。しかも、ちゃんと頭に戻ってくるという、ブーメラン機能もついています。
当時の子どもたちは、野球帽の被るところの後頭部分を内側に潰し、ツバを上にして頭の上にのせ、セブンのアイスラッガーのように両手でツバを挟んで投げて遊んだものでした。
今の子どもたちに、帽子でアイスラッガーをやってもみせても分からないだろうなぁ、と思ったのですが、ウルトラセブンのDVDを観たあと、我が息子が帽子で「アイスラッガー」をやり始めるではありませんか。
子どもがやることは、時代が変わっても同じなんだなぁ。
前回のバルタン星人のところでも書きましたが、「ウルトラセブン」が始まったのが1967年(昭和42)の10月。「ウルトラマン」の最終回から半年後のことでした。
ウルトラマンが終わったことよりも、ウルトラマンがゼットンに敗れたことに大きなショックを受けた小学1年生の私は、新しく始まった「ウルトラセブン」に拍手大喝采。
まず、テーマ音楽にしびれましたね。特に前奏の部分。今でも聞くとぞくぞくしてきます。子ども向けの番組なのに、テーマ音楽がオーケストラですよ。
スーパーマン、バックトゥーザフューチャーと並んで、私の中では三大前奏の一つとして長らく君臨しています。おそらく今後、この三つを超える前奏は現れないことでしょう。
今、改めてYouTubeで聞いてみたら、涙が出てしまいましたよ。
上のYouTubeではフィルム・スコア・フィルハーモニック・オーケストラが演奏していますが、あのNHK交響楽団も演奏してるんですなあ。
メインテーマもいいけど、「ウルトラホーク発進」もいいし、「ULTRA SEVEN」もかっこよすぎ。
これほどまでに音楽性の高い子ども向けのテレビドラマがあったでしょうか。
実は「ウルトラマン」の撮影が途中から間に合わなくなって、当初の計画よりも早く終了してしまったらしいのです。急遽、制作されたのが前回も書きましたが「キャプテンウルトラ」という空想ドラマ。“ウルトラ”と称していますが、ウルトラマンシリーズとは全く関係ありません。制作会社も円谷プロじゃないし。「キャプテンウルトラ」は最初から半年間だけの、いわば代打的なドラマだったのです。
たぶんですよ。ウルトラマンを制作の都合から途中で止めざるをえなくなった円谷プロは、次回作に万全を期して取り組んだことでしょう。半年の間、円谷プロでどのようなことがあったか分かりませんが、単なるウルトラマンの続編みたいなものではなく、ウルトラマンをはるかに超えるものを創ろうという思いが円谷プロの中に溢れていたんでしょうなぁ。
その結晶が「ウルトラセブン」だったと、私は思うわけですね。
お父さんが、ウルトラセブンに出てくる怪獣の中でエレキングが一番印象に残っているのは、首チョッキンで血どばぁーっのシーンのせいかもしれんな。
子ども向けの番組なのに、けっこう残虐だよね。トラウマになっちゃうよ。
エレキングの武器って、相手を尻尾でグルグル巻きにして電気でしびれさせるのかぁ。デンキウナギみたいなもんだな。
あ、デンキウナギは電気を流す時、自分もしびれてるんだってよ。
その話、ざんねんな生き物辞典っぽい。
ピンポーン! エレキングも電気流しているとき、自分もしびれているっぽい。
しびれてボーっとなってるとこを、セブンのアイスラッガーで首チョッキンされたと。
ざんねんな怪獣辞典があったら必ず載ってるはず!
親子の会話は今日も盛り上がっていくのでした。
エレキングウインナーを作ってみた
おっと、エレキング・ウインナーを忘れるところでした。
材料
材料は以下のとおり。
- 頭・胴体 → ウインナー
- 手・足・尻尾・角(正確にいうとアンテナ) → ニンジン
- 体の模様 → 海苔
作り方
出来あがりは、ちょっとイヌっぽくなってしまいましたが、目のところに角みたいなアンテナをつけ、ギザギザに切り抜いた海苔を体に貼れば、エレキングを知ってるいる人ならなんとか分かってくれるのではないでしょうか。
ちなみに、息子が弁当の蓋を開けたとき、エレキング・ウイナーの頭がコロンと外れていたそうです。さてはウルトラセブンの仕業か。
道具・パーツの作り方・組み立て方についてはこちら。