今回のキャラ弁ウインナーは、ちょっとというよりは、かなりマニアックな生き物です。
その名も「クロイワトカゲモドキ」。
沖縄県内でも沖縄本島と古宇利島、瀬底島、屋我地島にしか生息していないという貴重な爬虫類で、沖縄県の天然記念物に指定されているほか、環境省のレッドデータブックには絶滅危惧種(Ⅱ類)として記載されています。
クロイワトカゲモドキとは
クロイワトカゲモドキは沖縄諸島の4島に固有で、各島の個体群の形態差から5亜種に分類されています。大きく見るとヤモリのなかまですが、その中でも原始的なトカゲモドキ科に属します。このため、ヤモリ類の進化を研究するうえで重要な存在となっています。
大きさは14~19cmで、体重は7~17gです。他のヤモリ類と違い、まぶたを閉じることができます。体つきはずんぐりしていて、体色は黒褐色を地色に、黄白色・桃白色の横じまや縦線の模様があります。動きは遅いですが、尻尾を自切(じせつ)することができ、天敵から逃れる重要な手段になっています。
地上性で、低地林~山地林の湿った林床を好み、また、洞窟や沖縄独特の墓の中で見つかることもあります。完全な夜間活動性で、昼間にみられることはなく、このため一般にはあまり知られていないようです。日没後、岩穴などの隠れ家から出現しはじめ、林床の昆虫類・クモ・ムカデなどの土壌動物を待ち伏せし、獲物が近づくと飛びついてこれを捕食します。繁殖は5~8月で、一度に必ず2個産卵し、1シーズンに2~3度産卵を行います。
森林性であるため、開発などによる森林伐採がクロイワトカゲモドキの生存を脅かしています。
環境省「いきものブログ」より
名前に「トカゲ」という文字が入っていますが、ヤモリの仲間なんですな。
確かに恰好はヤモリっぽい。
「森林性かつ完全な夜間活動性」でありますから、夜中に山の中に入らない限り、見ることはほとんどありませんね。
ところが、先日、夜中に山の中に入るような状況が、我が身に起こってしまったわけです。
いや、別に悪さをして山に逃げ込んだわけではありませんからね。
家族で「夜の森の観察会」に参加しただけですからね。
参加者は20人くらいいたでしょうか。
これだけの人数だと、夜の山の中でもまったく怖くありません。はぐれない限り。
歩き始めて5分もしないうちに、ガイドの先生が「いたいた」と、ライトで照らされた岩を見ると、コイツがいたんですよ。
家でよく見るヤモリは、近づくととっとと逃げてしまいますが、クロイワトカゲモドキは近づいても全く動きません。
ガイドの先生によると、例えば捕食動物のハブは動くものに反応して捕らえるので、下手に動いて逃げるよりは、こうしてじっとして捕食動物に気づかれないようにしているということでした。決して腰を抜かして動けないわけではありませんからね。
それから、ヤモリに比べるとクロイワトカゲモドキは動きがかなり鈍いそうですから、逃げようとしても簡単に捕らえられてしまうらしい。
以前、家内の実家の墓参りに行ったときに、ごみ箱として置かれていた一斗缶の中にクロイワトカゲモドキがいるのを息子が発見し、手で捕まえたのですが、放してみると、ドタドタ、ヨタヨタしたような歩き方で、とてもヤモリの仲間とは思えないほど、鈍くさく、ちょっとユーモラスな動きに、笑ってしまったくらいです。
その動きだったら絶滅危惧種になってしまうわなぁ。
さらに沖縄県指定の天然記念物でもありますから、今回、観察にいった場所は公表しません。世の中にはこっそり捕まえて密かに家で飼育する、あるいは売りさばく輩がいますからね。
同じトカゲモドキの仲間で「ニシアフリカトカゲモドキ」はペットショップで販売されているようですから、飼いたい方はそちらをお買い求め下さい。
観察会では、その後、4匹のクロイワトカゲモドキに出会うことができました。絶滅危惧種にしてはけっこういるではないか。他のヘビとかトカゲとかの爬虫類は全く見かけなかったのに。身の危険を感じると固まってしまう、という性がのせいで、人間には簡単に見つかってしまうんでしょうね。
というわけで、クロイワトカゲモドキ・ウインナーを作ってみました。
クロイワトカゲモドキ・ウインナーを作ってみた
材料
- 胴体 → ウインナー
- 足・尻尾・目 → ニンジン
- 瞳 → 海苔
作り方
ウイナーの顔になる部分を左右斜めに切り落とし、さらに口の部分を切り抜く。ニンジンで作った脚、尻尾を胴体に突き刺し、同じくニンジンで作った目をマヨネーズで顔に貼り付け、ハサミで海苔を切って作った瞳をマヨネーズで目に貼り付けて出来上がり。
絶滅危惧種ですが、その日のお昼には、捕食者(息子)に食べられてしまって絶滅してしまいました。
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