最近、本やWEBで仕入れた情報をもとに、夕食時にいろんな蘊蓄(うんちく)を述べるようになった息子。先日もマグロの刺身を食べながら、話しはじめました。
お父さん、これマグロだよね。
え、マグロだよ。なんで。
いや、アカマンボウっていう魚の刺身が、マグロにそっくりなんだって。回転寿司ではマグロの代わりにアカマンボウを使っているってよ。
へぇー、そうなんだ。でもこれは間違いなくマグロだから。
うん、ウマイウマイ。
話変わるけどさ。
(もう変わるんかい!)
アカマンボウで思い出したけどさぁ、マンボウって近くにいた仲間が死んだストレスで死ぬんだって。言っとくけど、アカマンボウはマンボウの仲間じゃないからね。
マジで!めっちゃデリケートなヤツだな。
デリケートどころか、史上最弱生物っていわれてるんだから。
食べた小魚の骨が喉に刺さって死ぬし、寄生虫を落とすためにジャンプして着水の衝撃で死ぬし。
何それ? そんなに弱っちくて、よく今まで生き残れたなあ。
今の話は都市伝説だけどね。
何だ、都市伝説か・・・
都市伝説で思い出したけどさぁ――
その後も、息子は連想的思い出し話を夕食が終わるまでしゃべり続けるのでした。
我が家にはテレビがないのですが、息子の話がテレビ以上に面白いので、当分買うことはないでしょう。
息子も「なんで家にはテレビがないの」とか、「テレビが欲しい」とか、言ったこともありませんし。
テレビの代わりに一家に一人、我が家の息子、いかがですか。
マンボウ史上最弱生物説とは?
それはさておき、私は「マンボウ史上最弱生物説」という都市伝説が気になります。
WEBで調べてみると、出るわ出るわ、史上最弱生物説の数々。息子が言ったことの他にも、
- ほぼ直線でしか泳げないので岩にぶつかって死ぬ
- 一気に海底に潜水して低温で死ぬ
- 海面で日向ぼっこをしていて鳥につつかれて死ぬ
- 朝日が強すぎて死ぬ
- 水中の泡が目に入ったストレスで死ぬ
- 海中の塩分が肌にしみたショックで死ぬ
- 前から来たウミガメとぶつかることを予感したストレスで死ぬ
- コバンザメがエラ内に張り付いて死ぬ
これらが全て事実なら、マンボウ、すでに絶滅してますから。
まあ、おそらく誰かが、面白がってSNSやらで言い始めて、拡散していったのでしょう。
みるからに人がよさそうな、じゃない、こういう場合、魚がよさそうなと言うのでしょうか。そんな顔つきですからね。姿もユニークだし、名前もユーモラスだし、なんかいじりたくなる雰囲気があるのは確かです。
だからといって、史上最弱生物などとこき下ろしていいのでしょうか。
だいたい「朝日が強すぎて死ぬ」ところを見た人がいるんですか!
「水中の泡が目に入ったストレスで死ぬ」ところを見た人がいるんですか!
マンボウにしてみればいい迷惑です。私がもしマンボウだったら、名誉棄損で訴えるところです。
マンボウ史上最弱生物説はたんなる都市伝説にすぎませんから、もちろん専門家はすべて否定しています。
そもそも「マンボウの専門家」が極めて少なく、私が調べた範囲ではたぶん日本では澤井悦郎さんくらいではないでしょうか。
さかなクンも、魚の専門家ではありますが、マンボウの専門家ではありませんね。
その澤井悦郎さんによると、2010年にWikipediaのマンボウのページの中で、「ジャンプした着水の衝撃で死に至る事がある」と加筆されたことを皮切りに、さまざまな「死因」が生まれていったらしい。誤った情報のまま、ツイッターで「死因一覧」がネタにされ、拡散されたことで、定着につながった、と指摘しています。
やっぱりSNSでネタにされたんだ。定着してしまうところが恐ろしい。
澤井さんが運営している「マンボウなんでも博物館」というウェブサイトがありますので、興味のある方はのぞいてみてください。
マンボウ史上最弱生物説の謎が解けましたので、今回はこのへんで。
ちょっと待った、マンボウウインナーの材料を忘れてました。
マンボウウインナーを作ってみた
材料
- 胴体 → ウインナー
- ヒレ → ニンジン
- 目 → 黒ゴマ
作り方
ウインナーを半分に切るとすでにマンボウの体の形になっていますから、あとはパーツを付けるだけ。長めのウインナーの場合は、少し切って短くする必要があります。
マンボウだけでなく、魚をつくる時は、ヒレに使うニンジンを薄く切るのに結構てこずります。ピーラーでは薄すぎますし、今のところ、よく研がれた包丁で丁寧に切るしかありません。
マンボウウインナーは作りが単純なので、弁当箱の中で形が崩れることもありません。耐久性最強のキャラウインナーです。
道具・パーツの作り方・組み立て方についてはこちら。