初めて野生のウミガメに遭遇したのは、今から20年以上前のことです。
野生のウミガメに遭遇した日のこと
その頃、私はシーカヤックを手に入れ、週末はほとんど海に出るようになりました。シーカヤックからの眺めはちょうど海面にすわっているような感じになります。沖縄の海はとても透明度が高いので、10mくらい下の海底がシーカヤックの上から楽に見えてしまいます。波がない時だと、空中に浮かんでいるようで、高い所が苦手な人には、ちょっと怖いかもしれません。
ウミガメに初めて遭遇したのも、ちょうどそんな状況でした。
場所は慶良間(けらま)諸島の慶留間(げるま)島の沖合(といっても岸から100mも離れていませんでしたが)。
海はベタ凪で静まり返っていました。
しばしパドリングの手を休めて、漂いながら海の中を眺めていると、底の方から、何やら円盤状の物体がすーっと浮かびあがってくるではありませんか。やがて私の右横、1mも離れていない海面に姿を現したのは、体長50cmほどのウミガメでした。
ウミガメも私の横でしばらくプカプカと浮いていましたが、私と目が合った瞬間、「ん?」というような表情を見せると、ゆっくりと海の中へ消えていったのです。
ウミガメとの出会いを求めてキャンプ
その後、私は、4,5人の友人と、沖縄本島北部、国頭村の奥という小さな集落の近くにある浜で、頻繁にキャンプをするようになりました。
その浜へつながる道はなく、海岸を40分ほど歩かなければなりません。そんな不便なところで何を好んでキャンプするのか。それは、ウミガメの産卵や孵化を見るためでした。
道がつながっていないため、たまに釣り人が来るくらい。夜も人工の灯りは全くありません。そのため、その浜は沖縄本島で最もウミガメの産卵が多いところだったのです。
幸い、私たちにはシーカヤックという文明の利器がありました。奥にある漁港からシーカヤックで海に漕ぎ出せば、その浜まで30分もかかりません。
人工物や人工の灯りがまったくないその浜でも、ウミガメの産卵に遭遇できる確率は非常に低く、産卵期の4月から9月頃まで月に2,3回通っても、一年に一度見られればラッキーな方です。
しかし、たとえウミガメに出会えなくても、自分たち以外だれもいない浜にテントを張り、昼間は釣りをしたり、潜ったり、夜は砂浜に寝転んで満天の星空を眺めたりしているだけで、心が満たされていくのを感じました。
「宇宙の中で、自然の中で、自分はちっぽけな存在でしかない。自分の悩みなんて、どーでもいいやぁ」という気持ちになれるから、仕事が終わった金曜日、夜遅くからでも準備をして、奥の海岸を目指して車を走らせたのです。
シーカヤックやキャンプについては、いずれ稿を改めて綴っていく予定です。
息子、初めて野生のウミガメに遭遇
一方、息子が初めて野生のウミガメを見たのは、たしか小学1年のゴールデンウイークの時だったと思います。沖縄本島最北端の辺戸岬に行った時、岬の先端にある展望所から、すぐ下の海を泳ぐウミガメが見えたのです。
「あーっ! ウミガメだっ! ウミガメがいるーっ!」と、初めて見る野生のウミガメに興奮した息子は、その場から30分以上動こうともせず、泳ぎ回るウミガメの姿をじっと見つめていました。
それからしばらくして作ったのがウミガメ・ウインナーです。
ウミガメウインナーを作ってみた
材料
- ・胴体 → ウインナー
- ・甲羅 → 竹輪
- ・手足、尾 → ニンジン
- ・目 → 海苔
作り方
作り方のポイントは、竹輪の甲羅。ガメラやアンギラスでも使った方法で、竹輪に縦に切れ目を入れ、ウインナーを挟んでいます。
ウミガメ・ウインナーを食べた息子の頭には、辺戸岬で見たウミガメの姿が浮かんできたに違いありません。
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