【キャラ弁ウインナー】シーサー 魔除けにしては可愛すぎ

空想生物
シーサー

沖縄を象徴する最も有名なキャラクターといえば、シーサーではないでしょうか。

お土産品としてもいろんな種類のシーサーが売られています。

シーサーとは?

そもそも、シーサーとは何者なんでしょうか。

一般的にいわれているのが、古代オリエントの獅子像がシルクロードを経て中国へ伝わり、琉球と中国の交易が盛んになる13~15世紀頃に海を渡って沖縄へ伝わったという説です。

つまり元は獅子、ライオンですね。

顔の周りにはたてがみのような毛がありますし、ライオンといえばライオン。

シーサーという言葉も、獅子が訛ってシーサー。

石垣ではシーシーと言いますし。

面白いのは、日本の狛犬(こまいぬ)も古代オリエントの獅子像がルーツといわれているのですが、伝わってくる途中でライオンがイヌになっていること。

これについて明治神宮のWEBサイトには次のように記されています。

獅子像が中国から日本に伝わった当初、日本人はその異様な形の生き物を犬と勘違いし、また朝鮮から伝来したことから「高麗(こま)犬(いぬ)」と呼ばれるようになった

昔の日本人はライオンなんて見たことも聞いたこともなかったでしょうから、イヌに見えても仕方ありませんね。

白髭神社(滋賀県)の狛犬。まんまシーサーでありませんか。犬だとしたらセントバーナードか秋田イヌか、チャウチャウか。

ところが、京都の金毘羅神社には日本唯一という「狛猫(こまねこ)」がいるそうです。

ライオンもネコ科の動物ですから、生物学的には狛猫の方が近いといえますね。

最古のシーサー

沖縄本島南部の八重瀬町富盛(ともり)にある「富盛の石彫大獅子」は現存する最古のシーサーの起源と言われる石獅子です。作られたのが今から300年以上も前の1689年前ですからね。

富盛の石彫大獅子(ともりのいしぼりうふじし)

さすがにエジプトのスフィンクスには及びませんが、シーサーの親戚みたいなシンガポールのマーライオンだって作られたのは1972年ですからね。

だいたいマーライオンって何ですか、上半身がライオンで下半身が人魚なんて。いやいや、人の頭はついてませんから獅子魚じゃありませんか。関係ないけど、シーライオン(アシカ)の立場はどうなるんですか。

あ、話が脱線してしまいました。

富盛の石彫大獅子の話でしたね。

この石獅子が作られた由来として次のような話が伝わっています。当時富盛集落では相次ぐ火事に悩まされていました。そこで風水師に相談したところ、獅子の像を作って火事の元凶である八重瀬岳(やえせだけ)の方角に設置すれば収まると助言を受けたのです。

町民たちは風水師の言う通りに作り、八重瀬岳に向けて設置したところ火事が起こらなくなったそうです。

それ以来、シーサーは魔除けとしての力を持つことが他の集落にも伝播し、さらに島々へと広まっていったというわけです。

シーサーは、今や沖縄のいたるところにいます。家から一歩でも出れば、シーサーに出会わない日はありません。シーサーに会わないようにするほうが難しい。

我が家にも立派なシーサーがいます。30年ほど前にいただいたもので、高さ37cm、長さ50cmの素焼き製。外に出しておくのがもったいないので、家の中に入れているのですが。それでは魔除けの意味がありませんね。

我が家のシーサー 野武士みたいな精悍な顔つきをしています

ゴジラに登場したキングシーサー

もう一つ、シーサーで忘れてはならないのがゴジラシリーズの映画に出て来たキングシーサーです。

ゴジラウインナーでも少し触れましたが、1974年に公開された「ゴジラ対メカゴジラ」は沖縄が舞台で、キングシーサーが沖縄の守護神として出てきます。

万座毛の岩壁で眠っていたキングシーサーは那美という沖縄の女性が歌うやたら長い「ミヤラビの祈り」で目覚め、ブラックホール第3惑星人という、これまたやたら長い名前の宇宙人が操るメカゴジラと戦うのですが、二本足でやたらドタバタと走り回ります。

懸命に戦うものの次第に劣勢に。そこへ海からゴジラが登場して一緒に戦います。途中苦戦しますが、最後はゴジラがメカゴジラの首をもぎ取って勝利。

キングシーサーは一緒に戦うというよりは、ゴジラに助けてもらった感じです。おいおい、沖縄の守り神がゴジラに守られてどうするの、とついツッコミたくなります。

そしてキングシーサーは万座毛の岩壁に戻って再び眠りにつきます。

先日、その万座毛に家族で行ったとき、息子が「キングシーサーが眠っているのはどのへんかな」と聞いてきました。

「ゴジラ対メカゴジラ」のことだな、と思った私が「あの歌を歌ったら出てくるんじゃない」と言うと、家内と息子が二人で、

「♪シーサー、シーサー、キングシーサー♬」と歌い始めました。ノリのいい母子です。

近くにいた2,3人の観光客が「何だ何だ?」みたいな顔で振り向きましたが、キングシーサーは現れません。

その代わり、岩壁の下の海にウミガメが現れたのでした。

もしかしたら、キングシーサーはウミガメに変身してしまったのか。それじゃあガメラだろ。

いえ、キングシーサーはもう万座毛にはいません。

実は、万座毛から直線距離で南西へ約15キkmのところにある読谷村の残波岬にいるのです。

ほら。

残波岬にある「残波大獅子(ざんぱうふじし)」 キングシーサーではないかと私は勝手に思っています

本来のシーサーの姿に戻っていますね。

ゴジラとの再会を願っているようにも見えます。

そういえば、色はまさしくウインナーカラー。

というわけで、ようやくシーサーウインナーに辿りつきました。やれやれ。

シーサーウインナーを作ってみた

ちゃんと自立するシーサーウインナー

材料

  • 胴体・頭 → ウインナー
  • 手・足・タテガミ・尻尾・耳 → ニンジン
  • 目・鼻 → スライスチーズ
  • 瞳 → 海苔

作り方

ウインナーを横に半分に切り、口を開けたやつと閉じたやつのペアで作れます。ニンジンのパーツが細かいのでカット作業がちょっと大変かも。

ポイントは団子鼻とタテガミ、アゴヒゲあたりでしょうか。お土産品として売られているような可愛いシーサーをイメージして作りました。

お弁当の守護神として売られることは、まずないでしょう。

道具・パーツの作り方・組み立て方についてはこちら。