オカヤドカリの行列発見!
先日、「仲伊保の浜」へ家族で遊びにいきました。私が住んでいる南城市の東海岸側では、唯一人口的の護岸がない自然の海岸です。
といっても自然の海岸の長さは200mほど。西側は仲伊保漁港に隣接しており、東側に行くといきなり階段型のコンクリートの護岸が現れます。
なぜ300mだけ自然の海岸が残ったのか。コンクリートの護岸を漁港まで伸ばせない理由があったのかもしれません。
海岸を歩いていると、列をなして移動しているヤドカリを見つけました。まるでアリの行列のようです。砂の斜面のところが、半トンネル状に平行に削られていて、道みたいになっています。こんな状態になるからには、相当な数のヤドカリが行き来したに違いありません。
まるで、けもの道みたいだな。
ヤドカリ道でしょ。しかも、ヤドカリしか通らないから、ヤドカリ専用道路だよね。
ヤドカリがアリのように群れを作って集団行動するなんて聞いたことがありませんから、たまたま歩きやすいところを多くのヤドカリが通ったために道が出来た、というところでしょうか。
そのヤドカリ道は、内陸部に生えているハスノハギリの林の中へと続いていました。
沖縄ではフツーにいる天然記念物
ヤドカリと書いていますが、正確にいうとこれはオカヤドカリですね。日本では国の天然記念物に指定されています。
天然記念物がうじゃうじゃ歩いているって、どういうこと?
数が少なくて保護しないといけないから天然記念物じゃないの?
確かに、オカヤドカリが天然記念物に指定された1970年(昭和45)当時、日本では小笠原諸島にしか生息していない珍しい生き物でした。
その2年後の1972年(昭和47)、沖縄が日本に返還された際、沖縄のオカヤドカリも同種ということで天然記念物に指定されたのですが、沖縄では海の近くへ行けばどこでも見られるという、ありふれた生き物でした。
また、釣りの餌として釣り具屋さんでは人気があり、専門の捕獲業者もいました。
しかし、天然記念物に指定された以上、捕獲することはできません。捕獲業者にとっては死活問題です。
後に、一部の地域の指定業者に限り、時期と量を限定して捕獲が認められるようになりましたが、さすがに釣りの餌として販売されることはなくなったようです。
じゃあ、何のために販売されているのかというと、ペットとして結構人気があるらしい。ネットでも販売されているのですが、一番小さいサイズでも1匹1,000円近くします。
仲伊保の浜にいたオカヤドカリは目に見える範囲だけでも200~300匹はいましたね。ということは20万~30万円分ということか…。
いやいや、密漁はしませんよ、私は。漁港のそばだし、すぐに見つかりますよ。
ヤシガニはオカヤドカリの仲間
あと、沖縄にはオカヤドカリの仲間でヤシガニというやつがいます。
生息数では圧倒的にヤシガニの方が少ないのですが、なぜか国指定ではなく沖縄県指定の天然記念物。沖縄本島では一時期、絶滅したのではないかといわれていましたが、近年、あちこちで目撃されるようになりました。
恩納村ではダイビングショップが主催するヤシガニ観察ツアーも実施されています。
私も学生時代、石垣島の民宿に泊まった時に、ヤシガニツアーに参加したことがあります。ガイドの人が差し出したボールペンをハサミでいとも簡単にバキッと折ってしまった光景は、今でもはっきり覚えています。庭木の手入れの際、剪定ハサミがないときは近くにヤシガニがいないか探してみましょう。
研究によると、ヤシガニのハサミの力は体重の90倍近くもあるそうです。これまでに発見されている最大のヤシガニは4kg。その90倍ということは360kg。これはライオンの噛む力に匹敵するそうです。ヤバイです。
海辺でキャンプしていると、夜寝ている間にテントの周りをオカヤドカリがうじゃうじゃとはい回っていることがあるのですが、これがヤシガニだったら、体をバラバラにされてしまうかもしれません。今後、ヤシガニが大量発生しないことを願っております。
すみません、話が脱線しました。私が参加したヤシガニ・ツアーでは、捕まえたヤシガニを持ち帰って茹でて食べたような記憶があるのですが。なにせ40年ほど前のことですから、味は忘れましたわい。
調べてみると、宮古島にはヤシガニが食べられるお店もあるみたいです。あれ? 天然記念物なのに食べてもいいんだぁ。
そういえば、20~30年ほど前、那覇にもヤシガニが食べられる店がありましたよ。たしかその店ではヤシガニを養殖していたんじゃなかったかなぁ。
いつの間にかなくなっていたので、うまく養殖できなかったのか。それともあまり流行らなかったのかもしれません。
話をオカヤドカリに戻します。疑問に思ったのが、オカヤドカリはうじゃうじゃいるのに、貝殻が足りなくなることはないのかということ。
「貝殻がない! どうしよう、どうしよう!」とうろうろしているオカヤドカリは見たことがないので、足りているのか。
でも、巻貝がいなくなる、というのは極端ですが、環境の悪化で少なくなる可能性はあります。そしたら貝殻も少なくなりますわなあ。オカヤドカリは困りますわなあ。
いや、大型化してヤシガニになる手もあります。
そしたらヤシガニがうじゃうじゃという状況になるので、やっばりそれはやめていただきますよう、お願い申し上げます、オカヤドカリ様。
オカヤドカリウインナーを作ってみた
ヤドカリでもいいのですが、一応オカヤドカリとして作ってみました。材料は以下のとおりです。
材料
- 貝殻 → ウインナー
- ハサミ・足 → ニンジン
- 目 → 黒ゴマ
作り方
ポイントは、ちょっと長くて無理があるかもしれませんが、貝殻の部分をウインナーにしたこと。両端の丸い部分を切り落とし、円柱形になったウイナーを斜めに切ると貝殻が二つ出来上がります。あとはニンジンで作ったハサミ、足をさし込み、黒ゴマの目をくっつけて出来上がり。構造は単純ですが、ニンジンのハサミや足をさし込む作業は、老眼鏡を掛けてもけっこう細かくて大変でした。
作るのに時間をかけても、味が同じというのは、ちょっと虚しくなったりします。
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